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ヨガ授業【テスト】評価基準・使用ワークシート紹介/学校法人天満学園太成学院大学高等学校「高校生とヨガ授業」No.4


 皆様、こんにちは。学校法人天満学園太成学院大学高等学校体育教諭であり、がっこうヨガ会員兼事務局として活動している嶋田です。

今回は、体育における体つくり運動としての単元[第4・5時限目]の概要と評価基準・使用ワークシートをご紹介します。



【授業について】

  • 高校2年生(男女)、スポーツクラス

  • 体つくり(50分×全5回)

  • 単元目標…太陽礼拝Aを習得する。授業内で実施した呼吸法・ポーズを日常生活や運動習慣へつなげる。

    (自己理解やセルフケアの一助となる提案を行い、生徒自身の主体性を伸ばす)


【単元目標】

  • 学校内で「時間」を感じ、内観を目指す、リラックスする

  • 呼吸法・ヨガ・マインドフルネスを身近に感じて、習慣化へつながるきっかけ作りとする

  • 教員の見本がなくても、方法を覚え、自分でおこなえるようになる


【第4・5回目授業について】

  • ねらい…

    「テストのため」ではなく「授業内で実施した呼吸法・ポーズを日常生活や運動習慣へつなげる」ための単元。太陽礼拝Aのテストでは①順番 ②呼吸とのリンク ③正しいアライメント(姿勢)でおこなうことができているか、を主に評価(数値化)する。

  • 実施場所…柔道場

  • 生徒数…35名前後(クラス別に実施)

  • 実施内容…

    1.呼吸法(風船の呼吸)

    2.ストレッチ&太陽礼拝Aを1周

  ※心拍数の測定は行わない(テスト実施に伴い各自の運動が少ないため)

  3.テスト(太陽礼拝A)

  3.ワークシート記入


  • 生徒の様子…

    1.授業開始時

    テスト実施日なので、始業チャイムが鳴る前から太陽礼拝Aを確認し合う姿が見られた。

    呼吸法(仰向けに寝、風船の呼吸)をおこなっている者がおり、授業後に実施理由を聞くと「今日は朝からイライラしたり気分が落ち着かなかったので風船の呼吸をしていました。落ち着くんです。」と答えてくれた。ヨガや呼吸法を生活に取り入れてくれている様子が伺えた。


    2.呼吸法(風船の呼吸)

    テストに向けて落ち着かない様子の生徒が多く居たので、あぐら姿勢で風船の呼吸を実施した。教員が吸う・吐くの声掛けとカウントのみをおこない(徐々にペースをゆっくりにしていくと、長く深い呼吸に… 呼吸法後に勝手に話し始める者はおらず、落ち着いた雰囲気でテストへ繋げることができた。


    3.テスト時について説明

    ・2名ずつ横に並び太陽礼拝Aを1周おこなう

    ・順番を覚えていない、間違えてもわかるところから続け最後の合掌までおこなう

    ・テストの進め方…

     ①2名がテスト位置に立ち、山のポーズ(両手は合掌)になる

     ②教員「始めます」「吸う」の後、「吐く」「吸う」を交互にカウント

     ③「吐く」で両手を体側に、そこから太陽礼拝Aを1周おこなう

     ※正面を向き、2名はお互いに見ない


    4.評価の工夫

    ・テスト位置は畳2枚程度空けると、お互いが気にならず評価しやすい(教員が2名を同時に見やすい)


 4.呼吸法…3つの取り組み方法や参加方法を提案し、実践する。

 ①自分の感覚で ②腹式呼吸・胸式呼吸をそれぞれ体験 ③その日選んだ呼吸法を繰り返す

 ①②③全て、まずは自分のペースでおこない、次に先生のカウントに合わせて実施し、練習。

 ※「無意識を意識する」と呼吸のあり方を味わえるような声をかけたり、担当教諭の呼吸数を数える指示(インストラクション)に呼吸を生徒が呼吸のリズムをコントロールし、「合わせる」という方法を行ったりと、参加方法に幅を持たせた。その後、2つどちらもおこなうことで、普段の呼吸が浅いか深いか、短いか長いか、自分をただただ感じてもらう時間を設けることで、内観へとつながりやすくした。生徒の特性に合わせ、まずは、違いを味わうことを目的に実践したケースも散見された。


 5.心拍数の計測と記録②


 6.ストレッチ〜ヨガを呼吸に合わせて実践

 1・2回目と同じ流れでおこなう。身体の使い方のポイント説明を加え、より筋肉や関節の伸び具合や硬さを感じやすいように、体の部位の動きを実演しながら説明し、実施へと流れを作った。

 首→肩→腕・手首→腰回り→股関節とゆっくりと可動域を感じるようにし、身体意識が深まりやすいよう、体の上部から下部へと伝えていく。

 その後、太陽礼拝Aを繰り返し行う。テストに向けて「順序とポイントを覚える」必要があるので、次の2つのことを意識して指導した。

①まずは呼吸のみ声掛けしながら誘導する方が覚えやすいよう(3年間の指導実践より感じること)。「吸う」「吐く」の声掛けをゆっくりなテンポでおこなう。

②3セット目頃から、適宜、身体の使い方のポイントを声かけを徐々に増やしながらヨガを実践する。


 7.休息のポーズ(シャバーサナ)

 この時間は、生徒によっては、恥ずかしさや戸惑いから、私語が目立つ場合がある。1・2回目と同様に叱責や否定をせずに、目的を次のように伝えることに徹した。特に、ささやくように小さな声でゆっくりと伝えていく工夫を重ねると、生徒自身が”自分の時間を味わう”ようになった。

 ※シャバーサナ中に心がけているメッセージ性の高い声かけの主な内容

 ・太陽礼拝を繰り返しおこなったことでシャバーサナの効果がより高まるかもしれませんね

 ・ヨガを続けていると、ヨガ哲学で大切だと言われている。「盗まない」という捉え方ができるようになっていくようです

 ・みんなの学びたい気持ちや時間を「盗まない」ことは沈黙を味わうことではないでしょうか

 ・今はリラックスすること、ホッと自分の時間を過ごすこと、が一つの目的です。このかけがえのない時間と場所を盗まないようにしてみましょうね

 ・友だちの時間も、そしてあなた自身の時間も、大切に大切にしてあげてくださいね


 8.リラックスから切り替えへ

 スッキリ感も促せるように目覚めていくようにする

 手のひら→足の指→足首・膝、股関節→腰周り・背中→首→肩と、順に動かしながら、身体感覚が変わっていないか、それとも変化がないのか、スッキリしていくのか?自問自答しながら、感覚を味わえるように時間的な余白を設ける。その後、ゆっくりと身体を起こすように伝えた。


 9.心拍数の計測と記録③


 10.記録用紙に記入

 (ヨガ前後の比較を、用紙の質問に答えながらまとめる)


 11.ふりかえり・まとめのインストラクション(例)

 ・今夜から夜と朝に数セットずつ太陽礼拝Aを毎日おこなってみましょう

 ・感想をまとめながら感じたこと、呼吸の浅い・深いや、身体の伸びや硬さを感じる心地良さを、ぜひ覚えていてください

 ・今日一緒におこなった呼吸法やヨガの中で、気持ち良いと感じたものを、次回授業まで朝・夜などに続けてみましょう

 ・教室は戻る際は、少しボーッとするかもしれないので、気をつけて、急がず歩きましょう



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 子どもとの「ヨガ」「マインドフルネス」をしたい方、学校への導入を検討している方への具体的な実践の参考になれれば幸いです。


なお、このレポートはシリーズとして、継続的に記事がアップされます!

太成学院大学高等学校様ご協力、ありがとうございます。




【参考にしている講座】


(がっこうヨガ会員 事務局 嶋田栄美)


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