「なぜマインドフルネスを教室に取り入れたいと思っているのか」とグランディング瞑想から始まった研修。やはり導入でほんの少しでも自分に触れられると、”研修に間に合うかな”とそわそわしていた自分に気づきます。
今回、講師を務めていただいたのは、International Mindfulness center Japanを設立し、日本でのマインドフルネス普及に努めていらっしゃる井上清子先生(がっこうヨガ推進委員会理事)です。
井上清子先生は、「マインドフルネスの技法を表面的に学ぶのではなく、なぜマインドフルネスを取り入れたいと思っているのか、より深い根っこの部分に問いかけてほしい。」と、私たちの心の根底にある「大事なwhy」に問いかける大切さを示していただきました。
前半は、「なぜマインドフルネスをがっこうに取り入れたいと思っているのですか?」このシンプルな質問をペアになって問いかけ合うワークを行い、何度も繰り返し問いかけ合い、自分自身がどこに目が向いているのかを探っていきました。「この問いの答えこそ、皆さんの活動の根っこになる」と井上清子先生は言います。
マインドフルネスを学び実践する自分のニーズ、現場のニーズ、子どもたちのニーズは異なるからこそ、多角的な視点で考える重要性と、それをこういった場で共有し合う必要性を体感しました。
【自分はどこに焦点が向いている?】
私たちの意識には、DoingモードとBeingモードという2つのモードがあります。
Doingモードの時は、考える(過去や未来)→解決する→ゴールに焦点が向いています。
Beingモードの時は、感じる(今この瞬間)→気づく→視野が広がるといった、状態にあります。
皆さんは日々、どちらに焦点が向いていますか?
Doingモードで疲労していると感じるのは、先生や保護者の皆さんだけではなく、子どもたちも同じなのではないでしょうか。
Doingモードが全開の時は、どこに自分が向かっているのかが明確ではなく、ただただアクセルを踏みっぱなしの状態。逆に、Beingモードの時は、今の状況を把握し行き先や進む方向が分かっているので安心できます。安全運転のためには、Doingモード(アクセル)とBeingモード(ブレーキ)を行ったり来たりできることが大切です。そのための手助けになるのがマインドフルネスです。
【不安やストレス、悩みと距離をとり、今と繋がる】
マインドフルネスは注意のトレーニングと言うこともできます。私たちは何に意識を向けるかで、世界の見え方や状況の捉え方が変わってきます。そうすることで、不安やストレスの沼から抜け出し、あったとしても気がつかない、嬉しいこと、楽しいこと、愛する人、人とのつながり、自分自身の存在など、「日常にある宝物」に気づくことができます。
【マインドフルネスを教室に取り入れるために】
年齢差や多様性など、現場に合った形で取り入れていくことが重要です。
とはいえ、
・マインドフルネスの認知度がまだ低い。
・マインドフルネスが怪しいと思われる。
・短いものであれば取り入れやすいかも。
・マインドフルネスを実践する目的が分かっていない。
・瞑想などはハードルが高い。
という現場のリアルな声もいただきました。
【マインドフルネスを理解した上で、表現の仕方には多様性を】
マインドフルネスのやり方はたくさんあり、選択肢があります。マインドフルネスを教室に取り入れるためには、マインドフルネスの要素を知った上で、皆さんそれぞれの現場に合ったマインドフルネスを見つけましょう。
講座では、具体的に4つの実践方法をご紹介いただきました。日本の学校の中では、あまり実践されていない心と身体を使った『体験的』な経験を、マインドフルネスの実践で得ることができます。
実践1:アンカー、グラウンディング瞑想(呼吸)
・考えるモードから感じるモードに切り替える
・注意を絞り込む(悩みから距離を取る)
実践2:ボディスキャン(身体の天気)
・今、体がどんな感じか、今何を必要としているかを知る
・注意、観察のトレーニング、関わりのトレーニング
実践3:感情や思考(心の天気)
・今、心がどんな感じか、今何を必要としているかを知る
・注意、観察のトレーニング、関わりのトレーニング
実践4:10本指のエクササイズ
・自分自身の実践として
・感謝するトレーニング
自分の土台(根っこ)を整えてから伝えるのと、そうでないのとでは、子どもたちの反応は全く違ってきます。参加できなかった皆さんは、ぜひアーカイブをご覧になり、マインドフルネスの本質をついた清子先生のお話に耳を傾けながら、ご自身の根っこに問いかけるワークに取り組んでみてください。
研修内容
1 結局、マインドフルネスって何?
2 教育におけるマインドフルネスとは
3 子どもと行うためのマインドフルネス理論
4 ワークシートを使って体験
対象
・小中高の学校の先生
・特別支援に関わる先生
・キッズインストラクター
・養護教論
・スクールカウンセラー
・保育士、幼稚園教論
・放課後デイサービス職員
・学校保育職員
など
ぜひがっこうヨガ推進委員会の仲間とともに、学びを深めましょう
(レポート担当:がっこうヨガ会員 中村)
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