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執筆者の写真gakkouyoga

CCEこどもヨーガ 第4回 実践研究会 特別な配慮が必要な子どもたちへのヨガ

更新日:2024年10月30日


 2022年11月6日(日)、関西学院大学にて、一般社団法人こどもカルチャーEducation.JPN (C.C.E.JPN.)主催の研究会へ、代表理事太田が登壇しました。



レクチャー&実技を太田が行い、コメンテーターに有光興記先生

(関西学院大学 教授 博士:心理学)

オーガナイザーに伊藤華野 先生

(京都西山短期大学 准教授 /一社)こどもカルチャーEducation.JPN理事)

という貴重な機会へお招きいただきました。

教育機関(特に特別支援学級や通級指導学級における自立活動)において、配慮が必要な子どもへヨガを届ける際の配慮と工夫を


①子どもの認知面

②心理発達面

③モチベーションの観点 


でお伝えし、コメンテーターの有光先生より、

「学校教育ではあまり触れられない

答えを導くのではなく問いを与えること」の重要さや

「子どもたちのモチベーション作りが勉強になった」とコメントいただきました。


会終了後は、先生方が対応に困る場面と支援者としての心構えなどをざっくばらんに語らせていただいた上、会の最後には、<慈悲の瞑想>をさせていただき、穏やかなひとときとなりました。








◯講義で印象に残ったこと


①事前情報からどのような配慮が適切か検討し、準備する


学校は集団指導が求められるため、事前情報を元に、どのような配慮が適切か検討したり準備していくことが大事です。


集団は、いろいろなタイプ、特徴の児童生徒がいる中ため、ヨガの呼吸・ポーズの難易度の設定やスモールステップを踏むこと、視覚支援としてのヨガグッズを使用することが大切と思いました。病院などのように、個別対応はできませんが、該当する児童生徒が所属する集団がヨガに興味をもってくれるためにどうするべきか?ということを配慮した上で実施すると、ヨガや運動に興味を持ってもらう1歩になるのではないでしょうか。



②いつでも安心できる居場所作り


 配慮や工夫の1つとして、別室登校の子は、支援者側から積極的に関わらず、ある程度の距離感を保ち、子供が自由に行動を選択できる場所をあらかじめ設定しておくことも印象に残りました。

 集団場面であることへの不安であったり、その場所の雰囲気になかなかなじめないという子がいるというのは知っていましたが、そういった子にどう対応するか?という部分を考えきれていませんでした。ですが、今回、安心・安全な場所をあらかじめ提供しておくことで、その子に「いやだったらこの場所にきてもいいんだよ」という選択肢を持たせておくという考えを得ることができ、非常に勉強になりました。




◯子ども役として学んだこと


 集団だと、先生の指示を聞き逃したり、わからない場合、別の子の様子をみて真似してみたり、雰囲気で動いてみるという感覚がありました。それは、とても「なんだか楽しいな」と感じました。周りに人がいることで、視覚的な情報がたくさんある、先生の指示や声掛けでの聴覚的な情報から自分の身体を感じる時間になりました。








◯多領域の学びの大切さ


 普段は、個別で子供と接しているので、集団における子どもの育ちについてはこのような気づきがありました。

 


①周囲の子どもの能力から刺激をもらう


集団というのは能力もバラバラですが、個別で自分のペースに合ったものではなく、いろいろな相手の能力を見たりすることで、「今の自分はもう少し何かできるのではないか?」や「まだまだ新しいことができるのではないか?」という新しい発見があるのではないかと思いました。



②環境設定の柔軟さ


 集団場面では、同じ内容をみんなで取り組むために、「自分はだめだ」というネガティブな思考にもなりやすいため、その部分に関しては、<個別⇄集団>という行き来がうまくできるような環境があるとよいなと思いました。







◯デモクラスについて(理学療法士の視点から)

 

 

 木のポーズ


起こりうること:


足や手を広げて、ゆらゆらしていくポーズでは、低緊張の子であったり、ぐらぐらしている子供にとっては、手を広げて足をあげていくときに、支えている側に倒れそうになってしまう、バランスをとることが難しいことが予想されます。


軽減法:


足をあげずに、上半身と両手で左右に動いていくという段階付けであったり、個別に体幹を支えてあげる(骨盤を支える)などのサポートが有効な場面があるでしょう。


 かんぬきのポーズ


起こりうること:


体幹がグラグラしている子供にとっては、片足を伸ばして支えることは難易度が高いポーズです。足の置き場所に混乱する、脊柱の安定が難しいということが予想されます。どこに焦点を絞るか事前に選択しておき、チャレンジさせます。


軽減法:

 足を延ばした後に、伸ばした方の足の裏でしっかりと地面を押す感覚を育て、蹴るように指示したり、足の裏・下腿の感覚がしっかりあるかを確認することで、支えやすくなる子どももいます。難しい場合は股関節外転を行うという目的であれば、両膝立から、少し股を開くことで股関節外転の支持が行うことが可能です。


 両手を腰に添えて、膝と膝の間の距離を変えてみるだけでも、股関節外転や体幹へのアプローチへつながります。



補足;膝を伸ばさずに、膝を曲げて、膝の真下に足の裏を置く行い方も有用です。十分に側屈をしてから取り組む、股関節周りをほぐす準備運動を行ってから取り入れて下さい。







◯ヨガグッズを用いた呼吸のあり方


 かきの形のスクイーズ(ヨガグッズ)を提示した呼吸を行う場面は、自然と呼吸が深くなる感じを体験できました。また、意識的に呼吸を変化させることが苦手な子供も多いため、かきとの距離を変化させることで、呼吸の深さや長さの調節を意識的に変えることができると勉強になりました。


◯まとめ


集団で動くのは、自分勝手に自由に動くということが制限されるので、時間の経過とともにしんどくなってしまう子どもも多いだろうなと思いました。だからこそ、どのような形でも受け入れてくれるという安心感の中で、疲れた時は自由に動いてみることや休むことを保証する環境が大事であると学びました。



(レポート:がっこうヨガ会員 理学療法士 中山)






◯慈悲の瞑想



セルフコンパッションの大家であられる有光教授(こちらから)より、慈悲の瞑想の実践をいただきました。特徴のある子どもたちがヨガを楽しめるように、心理学的な視点とヨガの(解剖学といった)視点とを掛け合わせた工夫を伺えた、とのコメントもいただきました。


ご参加の皆様のリラックスのひと時ともなったのではないでしょうか?



これからを担う若い学生さんや実践者とともに、特別な配慮を要する子どもと「つながる」方法の一部をお届けしました。引き続き学びたい方は、放課後等デイサービスの実践を深められる機会としてこちらより動画教材がございます。


 発達サポートヨガを学びたい方はこちらから


講師太田へ直接相談できる機会もございますので、どうぞ<会員入会>と合わせてご検討くださいませ。


なお、本研修は、(一社)こどもカルチャーEducation.JPN理事)

main@c-c-e.org の主催となります。



 がっこうヨガ推進委員会 研修担当




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