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第1回がっこうヨガ研修報告[特別支援学校・特別支援学級における体育・自立活動に活用するヨガを深める]

更新日:2023年10月10日


 がっこうヨガ推進委員会では、子どもたちへのヨガ・マインドフルネスをより安全性の高めるため、多様な観点で学びの機会を設けております。



<研修概要>



l 日時 2023年6月4日(日)

l 研修名 

第1回がっこうヨガ研修

特別支援学校・特別支援学級における体育・自立活動に活用するヨガを深める


l 講座の概要

•脳性麻痺児とは、動きの特徴とは

•ADHDとASDのお子さんとの共通点について

•PTとして脳性麻痺児と関わる際に気を付けていること

•脳性麻痺児の実践例

・脳性麻痺児の特徴からヨガのポーズを考える

•軽減法と実際の工夫について

・実際に軽減法を考えてみよう!

•運動負荷量と運動強度について






 

特別支援学校・特別支援学級に在籍する児童生徒は、

①身体面の障害の程度によりヨガのポーズ(アーサナ)の軽減が必要

②動きのイメージができず、参加することが難しい

といった状況が起きます。



教育機関にてヨガを導入するにあたり、授業として成立するためには、

ヨガを親しむことを1つの目的とし、ヨガに対する興味関心を高めて、

より主体的に楽しんでもらえるような工夫が重要です。



教育現場では、子どもたちのヨガに対する興味や体調などを加味しながら

授業内容・指導案を組み立てていきますが、


安全性やわかりやすい指示のあり方は、選択肢が多いとより講師自身が安心して授業を進めることができるでしょう。


そのため、子ども達へのインストラクション(指示のあり方)で、先生やヨガ講師が

授業を展開するのか、子どもの実態に合わせるための学びが必要です。



<専門知識>



 まず、今回のテーマの主な対象である「脳性麻痺児についての特性・動きの特徴」と、「ADHD・ASDと脳性麻痺児の共通点」について、説明がありました。


それぞれの特徴などにより原因はさまざまとのこと。なんとなく言葉で理解していても動きのイメージが掴めませんでしたが、ADHD・ASDの子どもとの

共通点としてあげられた「感覚の敏感さと鈍感さからくる身体認識・ボディイメージの確立の困難さ」を伺って次のような実際の様子を知ることができました。


”様子の具体例”

・注意がそれやすく、自分の姿勢に意識が向かない

・特定の姿勢をいやがる(腹臥位でおなかをつけるなど)

・歩くときにつま先があがってしまう

などです


 こういったお子様とのヨガを考えると、「お手本のように正しくポーズをとるヨガ」よりも、目の前のお子様にどう過ごしてほしいのか、どうなってほしいのか、など「目的やねらい」を明確にして「それぞれの内側にある回路」を優先したヨガが大切になると感じました。

 私もこの「目的」を明確にしてお話を伺ったことで、「ヨガポーズ。何が正解?子どものこの姿勢はあっているの?」というこれまで抱いていた疑問に対しても、スーッと思考が晴れていく感覚になり、対象者やその場面によるヨガの内容・工夫案がより実りあるものになると、この研修全般を通して学ぶことができました。


 人との距離が近いお子様とヨガをする機会が多い太田先生からは、お子様が「自分のパーソナルスペースを知る」ことを大切にするヨガをされているとありました。

 

 中山先生からは「ヨガのポーズから生活の姿勢や動作に繋がる」ことを考え、目の前の子が持っている感覚とその先にある姿勢・動きにフォーカスし、ヨガを通して快適さをサポートされているとありました。



 今回の研修では、具体的な指導方法として、ダウンドッグやキャット&カウなどのポーズを用いて、ポーズの効果やねらいと連動した軽減法と実際の工夫についてボールを用いた方法が紹介されました。

 ヨガや指導方法についての悩みや疑問の解決に紐づく知識や、イメージが膨らむ写真、また実技では子どもにとってイメージや理解が深まることに繋がる誘導や軽減にオススメの使用アイテム・使い方が増えると子どもとのヨガがとても楽しみになりますね。

 

 脳性麻痺児とのヨガで「ヨガのポーズから生活の姿勢・動作に繋げる」ことを考えたとき、普段のお子様の立ち方や動作を知ることで、その子の背景にある認識・身体感覚を捉えると、よりクラスに味わいが出そうです。


 ポーズ・姿勢・動作と、①感覚②身体機能③環境④意欲・モチベーション維持のどれも大事なことですが、ついなんとなく準備していたことが整理されるきっかけとなりました。


※特に、環境設定や意欲、導入のあり方については、8月26日・27日開催の「発達サポートヨガ講座」で学べるそうです。

 ご興味ある方は、ぜひご参加ください。


<質疑応答>


「寝転がって横に転がることができない場合は、どのように育めばよいのか?」に対して、先生方が実際にされている工夫を動きが紹介されました。ヨガの経験が少ない子どもや年齢が低い子どもへのヨガ指導にも活かせる助言だと思いました。

 ぜひこちらも実践していただき、その後の経過のご報告やご質問もいただければと思います。



<本研修をお勧めしたい方>


 ・特別支援学校・特別支援学級に通う子ども達の特性を掴みながら、姿勢や思考など内面からも心身の健康発達・発育をサポートしたい方

・「学校や学校に通うライフステージの子ども達」の日常に、安心感や快適さ(例:姿勢や思考の改善に繋がるヨガ)を増やしたい方

ぜひご覧いただき、活用してみてください。


<アーカイブ販売>


 こちらから購入できます


☆関連講座はこちらから


☆参考動画はこちらから



 がっこうヨガ推進委員会

研修担当 嶋田

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