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SEEラーニングで「社会的、情動的、倫理的な知性を学ぶ」

更新日:2023年10月10日

この度、慶應大学理工学部准教授である井本由紀氏をお招きし、がっこうヨガ第2回目の研修がオンラインにて行われました。


SEEラーニングは、社会的、情動的、倫理的な知性を学ぶためのカリキュラムとして2019年に実施が開始されました。SEEラーニングは、心と気づきの学びであり、一人一人に備わる知性がイキイキと花開くために、心と体の知恵や気づきのスキルを体験的に身につけることを目的としています。


当日は、井本先生のガイドのもと、自分自身の今の状態にcheck inすることから始まり、実践して感じたことを参加者同士で共有するなど、SEEラーニングを実際に体験しながら学びを深めていきました。




研修内容:

・教育に活かすマインドフルネスとは

・「SEE ラーニング」とは?体験してみよう

・セルフコンパッションについて

・エンパシーについて

・実践とシェアリング


研修中、井本先生が、「SEEラーニングをがっこうに取り入れる上で重要なのは、まず先生自身が、自身のために実践を重ねることです。自分の心と体への思いやりを忘れないこと。いつでも自分の中の安心感・安定感に戻れることを知ることです。」とおっしゃっていました。






1. 「幼いころに触れ合う絵本、学校や家庭に、SEEラーニングプレイブックがある」。日本中・世界中に当たり前のようにこの本が溢れていくと、子どもも大人も自分を、人を、大切に感じることができ、この世界に穏やかな愛のキャッチボールが続くのではと、より豊かな地球になっていくのではと、感じました。


2. 「マインドフルネス」や「セルフコンパッション」など、熱心に勉強を重ね知識を広げていらっしゃる先生方に、「知ること」を超えた「体感」を通して、まずは受講された方自身に「自分に気づいていく」そして「他者と繋がる」時間を過ごして頂きたいです。


3. SEEラーニングプレイブックの実践とシェアリング

・SEEラーニングプレイブックの特徴の一つとして、イラストの柔らかさと温かさ、そして本の中に自分を見つけることもできることが非常に印象的でした。


・研修での実践の最初におこなわれた「check in」では、イラストを見て、「わたし」を見つけてみます。研修を思い返すと、このcheck inの実践が始まった瞬間に、自然に「自分に気づいていく」道のスタートラインに立っていました。

学校で子どもたちが何かに取り組むとき、「集団の中の一人として振舞ってしまう」「周りが気になってしまう」場合もありますが、SEEラーニングプレイブックは驚くほど自然に「自分を見つめる」、「自分に気づいていく」ことができるので、子どもにとっても大人にとっても、「感じ・学んでいく」ことができると感じました。


・「大地に繋がる練習」では、目を閉じ先生の声を聞きながら実践したわずか1,2分で、私自身が心身共に穏やかで爽快感の中にいることに驚きました。研修当日は朝から非常に忙しく、滑り込むようにZOOMに参加。始まってからはメモを取りながら落ち着いて参加している感覚でいましたが、「大地に繋がる練習」後の穏やかな時間に居る自分を感じた時、何とも言えない心地良さと高まっている集中力に気づき、「この感覚を子どもたちに、先生方に、味わって欲しい!この感覚をあの子に感じて欲しい!」と、たくさんの顔が思い浮かびました。


・「大切な人に注ぐ思いやりを私自身にも向けてみよう」「自分を大切な友だちのように見つめてみよう」

セルフコンパッションについて、甘やかしではなく自分が困難な時に支えられるものとありました。教育現場で起きている困難や混乱に対して、大人・こども一人ひとりが「私自身を大切にする」ことができると、教育現場や子どもたちの安心・成長を基盤から支え直していくきっかけになります。そして、セルフコンパッションが日本中の学校に自然に浸透するには、このSEEラーニングプレイブックの体験ができる機会を増やしていくことが重要と感じました。


・シェアリングも貴重な時間でした。ワークの実践について参加者同士でアウトプットしていくのですが、「誰かと比較する」感覚が私自身に無く、きっと参加者の誰にも無かったように感じました。自分が浮かんだことや感じたことを言葉で表現しやすい仕組みがあり、ただただ自然に言葉が出る→聴く→「そんな風に感じたんだ」「そんな考え方もあるんだ」と、新しい感覚や考え方を知る。そんな時間でした。

個性や色んな人を認めることが大切といわれる現代ですが、できるようになるには努力が必要な場面の方が多いように感じています。SEEラーニングプレイブックを体験することで、自他を認める・大切にすることがより自然になっていくと感じ、幼児期や児童期・思春期でのSEEラーニングプレイブック体験の繰り返しができる環境を作ることができると、子どもの可能性をより広げることができ、共に過ごす大人自身も穏やかに子どもたちを見つめることができ、素晴らしい未来に、世界になっていくだろうと、ワクワクしました。


4. SEEラーニングで大切な事は、「身体感覚から始まる学び」とありました。

①体験(どう身体で感じる?)②練習(根付かせる)③振り返る(言葉にする)。

「体験・練習・振り返る」これらは教育現場でも重要とされ、授業の実践内容にも含まれていますが、実践が非常に難しいと感じ改善や工夫を繰り返している先生が多くいらっしゃいます。私もその一人です。ただ、SEEラーニングと教育現場では、「体験・練習・振り返る」の捉え方やアプローチに違いがあるのだと知りました。①体験(どう身体で感じる?)②練習(根付かせる)③振り返る(言葉にする)、これこそが身体感覚から始まる学びですね。


今回の研修で実践とシェアリングを繰り返しながら、何人もの生徒たちの顔が浮かび、彼らと共にSEEラーニングプレイブックに触れている場面を想像しました。その表情は穏やかだったり自然(周りの目を気にしない)だったり。貴重な「子ども期」を自分らしく心のままに過ごすことができる教室がそこにはありました。

「身体感覚から始まる学び」を、このSEEラーニングプレイブックを用いて学校でも続けていきたいと感じました。







ヨガとマインドフルネスを、ただ子どもたちに教えるのではなく、はじまりは自分から。先生自身からはじまり、それが子どもたちに伝わることで、教室の文化へと根付いていく。このプロセスこそ、がっこうヨガが目指したいアプローチそのものです。


子ども向けのヨガとマインドフルネスのあり方を、より文化的かつ総合的に学べるSEEラーニングの今後の日本での広まりに期待するとともに、がっこうヨガでは、日本国内にとどまらず、海外のヨガとマインドフルネスの知見を皆さんと共有する機会を設けていきます。


この研修はこんな方にお勧め

・小中学校の学校の先生、特別支援学校に関わる先生、キッズヨガインストラクター、幼稚園教諭など、子どもたちと関わるお仕事をされている方

・子どもを育てる保護者

・子どもと関わる仕事をしたいと思っている学生の方、または社会人

・自分で自分を大切にするスキルを磨きたい方


この研修で学べること

・SEEラーニングとはの概要把握

・SEEラーニングプレイブックの活用法

・セルフコンパッションとエンパシーへの理解と活用法

・実践とシェアリングの大切さ


今こそ、子どもたちの心や体の感覚や感情、そして他者との関係性に意識を向ける重要性に気づくとき。異なる価値観や文化が混ざり合う現代において、私たちがしなやかに、ウェルビーイングに生きるためには、社会的、情動的、倫理的知性の学びSEEラーニングから学べることはたくさんあります。ぜひこの機会に、SEEラーニングの学びに触れてみてください。





研修担当 嶋田・中村




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