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執筆者の写真gakkouyoga

東京都田無特別支援学校体育体つくり運動:実践報告

更新日:10月9日

 この度、代表理事太田千瑞、がっこうヨガ会員の早坂、半田、臼井の3名とともに、

高等部の体育のヨガ指導にお邪魔しました。体育にヨガを導入してから4年目となる東京都田無特別支援学校。どの教員が指導してもより豊かな学びが広がるようにという熱心な学校であり、今年度より、「心を整えるリラクゼーションYOGAの推進」の研究対象校となっております。



 1学期には、代表理事太田による

「体つくり運動に活用するヨガの配慮と工夫〜実践の学び」と題して、教員研修が実施されました。



※スライドの一部です













○生徒の様子・授業の流れ


 ヨガの授業の始まりは、ヨガを覚えており、楽しみにしている生徒、いつもと異なる先生やアシスタントの雰囲気に戸惑う生徒、少し緊張している生徒がいました。多くの生徒が、担当教諭の誘導の元、マットの上で最後まで参加していました。


全体的に先生の動きを模倣でき、特に岩のポーズなど動きがわかりやすいものは比較的多く

の生徒の参加が見られました。


授業の中で、呼吸法やペアポーズもあり、体も十分に動かせる内容でとても良い流れのシークエンスだと感じました。

 一つ目のグループでは、呼吸と動きをつなげることを重視され、もう一つのグループは、障害の程度に違いがあり、配慮を要する生徒も属していたため、呼吸法の説明や体験が繰り返し行われた後、実際のヨガポーズを行う流れにしたと工夫されたと、担当したちず先生がお話ししており、なるほどど思いました。


 特に、良い工夫と思われたのは、「木のポーズとろうそくの呼吸は普段もできるよ」と先生が繰り返し説明し、はじめとおわりのつながりをもたせたことから、記憶に残りやすいのではないかと思います。2つの授業内容が大まかには同じでしたが、生徒の様子に合わせて、臨機応変にポーズを選んでいて素晴らしかったです。


 改善点として挙げるなら、生徒の多くが、膝を曲げる動きのイメージと体の動きを実践することが難しい生徒が多く、ポーズとしての深まりが不十分な印象を持ちました。完成形までいかず、、何回か膝曲げる練習をしてからキープさせてみたらわかりやすくなるのではと思いました。各アシスタントが模倣の難しい生徒の目の前で柔らかな声をかけ、ゆっくり動きを示す配慮もしたため、全体として、最後までヨガへの集中を持ち、取り組める様子に感動しました。


そして、最後の感想を発表する場面では、

リラックスできたことや、とまるところでピタッととまれたことに気づく生徒がいました。何度か授業の中で取り組んでいくことで、

自分の心と体の変化に気づいていけると思われました。


(レポート担当 がっこうヨガ会員 早坂)



○生徒の参加の様子を”マインドフルネス”として


 障害のある生徒だからできない、と決めつけたり、模倣ができていないからといって参加していないと捉えたりするのではなく、『そこに居る』だけで、マインドフルネスを体感できていたのではないかと考えます。特性から、マットを離れた際も、教師の言葉かけですぐに戻れていました。また、時折、担当講師のポーズに似た動きを見せる一面も多くありました。


 ヨガマットのどこにあぐら座で座るか戸惑う生徒が多かった際、フラフープで位置が確認できるようにした(ちず先生に指示を頂いた)が、その後、必要なくなっても片付けるタイミングが予測しづらく、ちず先生から促されて対応しました。自分から対応する手順を事前に確認したり、視覚的ヒント(ヨガブロック含めて)をどのように活用すると生徒にとってより良い環境になるのか?という点に気付ける(自発的な発想などができる)、配慮できるようでなければ…と振り返りました。


(レポート担当 がっこうヨガ会員 臼井)



○授業アシスタントにおける学びとして


 障害のある子どもたちと触れる機会は初めてに等しかったため、事前に様子を伺ったり、学校のホームページなどを通じて、雰囲気をイメージして当日を迎えました。


 「靴と靴下を脱ぐ」ことに抵抗がある子への支援が必要なのは、勉強になりました。実際にその場の様子を見なければ配慮のポイントや声かけをどうするか、分かりません。先生方の優しい配慮や環境作りも参考になりました。


 授業の間は、アシスタントとしてどこでポーズをするのが良いのか、どのように手を出して動かしてあげればいいのか探りながら生徒と関わりました。特に、下向き犬のポーズは、言葉での指示に偏りがちであり、普段のヨガクラスの延長になりやすく、動きをわかりやすく伝えるのが難しかったです。また、肩周りの緊張やこわばりもあったので、どのように誘導していくのか、自分自身でも、分かりやすいインストラクションを勉強しなければと思いました。

 体の様子の観察として、休憩ポーズの一つである、岩のポーズもお尻が浮いてしまいリラックスが難しい子、背中(特に胸椎)が緩められない子が多く、息を吐く声かけを行ったことで動きが変わり、緩めてもらえたように思います。また、うつ伏せで膝を伸ばしたまま脚を上げるバッタのポーズも、膝を曲げて上げたつもりになる子が多かったので、動きの背景にある体のつくりの学びや声かけのバリエーションを増やしていきたいと思いました。


 そして、先生たちの生徒への関わり方のパワフルさや反応の速さに驚きました。日頃の信頼関係が垣間見られ、寄り添う姿勢を参考に一緒にヨガに親めました。


 時折、疲れてしまってぼんやりする生徒や違う姿勢になる生徒もいたのですが、「今は、おやすみだね」と千瑞先生が声かけしてるのを聞いて、私はおやすみしても良いと伝えていなかったなとハッとしました。頭では分かっていましたが、どうやって伝えよう、分かりやすいインストラクションはなんだろう?と自分の内側にフォーカスが当たっていたのかもしれません。



○生徒の反応からの学びとして


 生徒の皆様が、ポーズをしていてもしていなくても笑顔だったのが印象的です。また、やったことのないポーズをするとき「こわい」と伝えてくれる子がいたので、その気持ちも大事だなと改めて思いました。立位・座位でのポーズの軽減方としてのバリエーションが自分の中で少なく、楽しく伝えることができなかったので、この点も改めて勉強しようと思いました。みんな最後はヨガマットを片付けることができて(最初は先生が敷いていたにもかかわらず)授業後にヨガマットが自分のものであり、感謝を向ける対象と捉え、後片付けまでしっかりできたいたことに喜びを感じました。


 今回改めて、アシスタントとして参加でき、学校におけるヨガの必要性を生徒の様子や先生方のご感想から学ぶことができました。


(レポート担当 がっこうヨガ会員 半田)



○卒業後の運動習慣へ向けて


 生徒たちが、できれば日々のルーティンとして、1日1回行えるようなワークを提案できたらいいと思いました。(昨年度は学年別に導入していたので)引き続き、ヨガカードも活用できる指導内容を提案する必要性を感じました。

 例えば、漠然とした(この動きはこういうのに良いので…)とかではなく、3つくらいの動きをセット(カード等)にしたものをいくつか提案して、本人の気分で選んで行えるように提案し、実際の日々の生活で行うことや1セット、3つのポーズ(飽きてしまうかもしれないので、月替わり、週替わりなど工夫して)を日々の生活に取り入れることで習慣化が目指せるように思いました。在学中から、朝のルーティンにすると、よりいいのではないかと思いました。

 そのため、今後はYoutube動画に加えて、A4サイズのヨガカードの提案や分かりやすい視覚教材をがっこうヨガの皆様と考えていけると良いと思いました。


(レポート担当 がっこうヨガ会員 臼井)




 特別支援学校におけるヨガ導入について





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 なお、アシスタント2名は、こちらの団体においても活躍中です。お近くにお住まいの方は、ぜひチェックなさって下さい。










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