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がっこうヨガが届けたい!学童におけるヨガのあり方


学童ヨガとは? 〜子どもの「心と体を整える力」を育てる時間




 放課後の子どもたちは、学校でたくさんのことを経験した後で疲労感が目立っています。

授業で集中したり、友達と関わったり、集団のルールを守ったり、ときには嫌なことや悔しいことを経験したりする葛藤の中で過ごしています。


 つまり、学童保育に来る頃には、子どもによっては「まだ元気いっぱい!」という状態の一方で、疲れている、イライラしている、落ち着かない、気持ちを切り替えられないという状態になっていることもあります。


そんな子どもたちにとって、ヨガは単なる運動ではありません。

「自分の心と体の状態に気づき、自分なりに調整する」

そんな力を育てる時間として、学童保育に取り入れることができます。



学童ヨガで大切にしていること


学童ヨガでは、「正しいポーズをとること」や「みんなと同じようにできること」を目的にはしません。


子どもが、


  • 今、体はどんな感じ?

  • 疲れているかな?

  • 呼吸は速い?ゆっくり?

  • 今日はどんな動きをしてみたい?

  • ちょっと休んでみようかな?


と、自分自身に気づくことを大切にします。


子どものヨガに関する研究では、学校などで行われるヨガが、自己調整、注意・認知機能、リラクゼーション、ウェルビーイングなど、心理・行動・身体の複数の側面に関係する可能性が報告されています。(下記、参考文献)


 ヨガ説明のPDF(例)


ここからダウンロードできます





学童ヨガのメリット① 心理面


1.気持ちの切り替えを助ける


 学校から学童へ移動しても、子どもの頭や体がすぐに「放課後モード」に切り替わるとは限りません。

ヨガでは、<動く → 呼吸する → 休む>という流れを経験することで、自分の状態を切り替えるきっかけをつくります。「落ち着きなさい」と言葉で伝えるだけではなく、体を使って切り替える経験を積み重ねられることがポイントです。


2.自分の感情や状態に気づく


 「なんとなくイライラする」「今日は疲れた」「友達とケンカして嫌な気持ち」

子どもは、自分の状態を言葉でうまく説明できないことがあります。


 ヨガでは、呼吸やポーズを通して、「胸がドキドキしている」「肩に力が入っている」「体が重い」など、自分の身体感覚に目を向ける機会をつくります。


これは、感情を無理に変えるのではなく、まず自分の状態に気づくための練習になります。


ヨガとは何か?という説明は、子どもの発達や年齢に合わせて、


3.自己調整する力につながる


 ヨガでは、「もう少し動きたい」「ちょっと休みたい」「このポーズはやめておこう」

という選択も大切にします。講師は、「運動いつもしているお友だちもいれば体が痛くなりやすいタイプもいるよ」などと、個人差についてしっかり説明します。


 つまり、自分の状態に気づくことから始め、体がどんなふうになっているか観察し、どうするかを選ぶ時間を実際に行動するという経験ができます。子ども・青年を対象とした近年のレビューでも、ヨガは自己コントロールや行動面、認知機能、リラクゼーション、ウェルビーイングなどとの関連が報告されています。(参考文献を参照のこと)


4.「できた!」という自己効力感を育てる


 ヨガには、競争や順位がありません。「一番上手な子」になる必要もありません。

片足で立てなくても、「昨日より少し長くできた」「自分でやってみた」「難しかったけど楽しかった」という経験ができます。

 「できる・できない」ではなく、「自分なりにやってみる」ことを大切にすることで、子どもが自分の体や行動に対して肯定的な感覚を持つきっかけになります。

 がっこうヨガでは、そのためにペアポーズをあえて取り入れることで、仲間意識と相手への配慮の心を育てることを大事にしています。「一緒に」行う楽しさと、お互いに工夫をアドバイスし合うことはコミュニケーション能力を底上げします。



学童ヨガのメリット② 身体面


1.楽しみながら体を動かせる


 学童で過ごす時間には、宿題や読書など座って行う活動もあります。

ヨガでは、立つ・しゃがむ・伸びる・ひねる・バランスをとるなど、さまざまな動きを楽しむことができます。

「運動が得意な子だけが楽しめる活動」ではなく、一人ひとりが自分のペースで参加できる身体活動にできることも、学童ヨガの特徴です。


2.バランスや身体の使い方を経験する


 木のポーズのようなバランスポーズでは、

「足の裏で床を感じる」「体がグラグラしている」「手を広げると安定する」

など、自分の身体の位置や動きを感じることができます。講師は、「手のひら」「足の裏」「背骨」など、体の部位の名称を触りながら確認する時間を作ります。


 こうした経験は、単純な筋力トレーニングとは異なり、自分の体を意識しながら動かす経験になります。


3.姿勢や体幹を意識するきっかけになる


 ヨガでは、「背中を伸ばす〜お腹を意識する〜足で床を押す〜肩の力を抜く」

など、全身を意識して動きます。そのため、姿勢や身体の使い方を意識するきっかけになります。但し、学童ヨガでは「姿勢を正しなさい」と無理に矯正するのではなく、「自分の体を感じてみよう」というアプローチを大切にします。


4.呼吸と身体のつながりを知る


ヨガでは、動きだけではなく呼吸にも意識を向けます。

「息を吸うと体が広がる」「吐くと少し力が抜ける」など、呼吸と身体の変化を感じることができます。子ども自身が自分の呼吸に気づくことは、自分の状態を知るための小さな手がかりになります。



学童ヨガは「静かにさせるため」のものではありません


 ここは、学童ヨガを導入するときにとても大切にしたいポイントです。

ヨガというと、「子どもを落ち着かせるもの」「静かにさせるもの」と思われることがあります。もちろん、呼吸やゆったりした動きによってリラックスする時間をつくることはできます。しかし、学童ヨガの目的は、子どもを大人の都合で静かにさせることではありません。


走りたい子は、思い切り体を動かす。

疲れている子は、ゆっくり動く。

今日は参加したくない子は、見ている。


そんな選択肢も大切にします。

「自分の状態に気づき、自分に合った方法を選ぶ」

その経験そのものが、学童ヨガで育てたい力です。


そのため、導入や「きらりん体操」で、体を自然にほぐし、ヨガへの興味を高めます。




学童ヨガで育てたい「心と体のつながり」


学童ヨガでは、心理面と身体面を別々に考えません。

体を動かす+身体感覚に気づく+呼吸に気づく+今の自分の状態に気づく+自分に合った行動を選ぶという、この繰り返しを、遊びやヨガの中で経験していきます。


そのため、学童ヨガは、

「運動」+「心の教育」+「自己調整の練習」

を組み合わせた活動として考えることができます。


 学校などでの子ども向けヨガ研究はまだ発展途上で、研究デザインや介入内容にばらつきがあることも指摘されています。一方で、学校年齢の子どもを対象としたレビューでは、メンタルヘルスへの肯定的な可能性が示されており、ヨガを予防的・補完的な活動として活用する意義が検討されています。がっこうヨガ推進委員会では、様々な地域や学校において実践を重ねており、授業でヨガをどのように導入し、評価していく方法を研鑽しています。


こんな子どもたちに学童ヨガを


学童ヨガは、特定の子どもだけのためのものではありません。


たとえば、

  • 学校で頑張っていて疲れている子

  • 気持ちの切り替えが苦手な子

  • 体を動かすことが好きな子

  • 運動がちょっと苦手な子

  • 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子

  • 友達との関わりで疲れやすい子

  • じっとしているより動きながら学ぶ方が得意な子

など、さまざまな子どもが参加できます。


 大切なのは、「みんなに同じ効果を求める」のではなく、一人ひとりに合った参加の仕方を認めることです。



がっこうヨガの学童ヨガ


がっこうヨガでは、子どもたちがヨガを通して、

「自分の心と体を大切にする力」

を育てることを大切にしています。

上手にポーズができることがゴールではありません。


「今の自分はどうかな?」

「ちょっと休もうかな」

「もう一回やってみようかな」

「今日はこの動きが好き」


そんな小さな気づきの積み重ねが、子ども自身が自分を理解し、自分に合った方法で調整していく力につながっていきます。


★学童ヨガの流れ★


 



 ミラヨガ✖️がっこうヨガでプログラム監修

ヨガプログラム開発は、顧問でもある斉藤里奈先生と代表理事太田によるものです。

今後、多様な地域で展開していきます。導入施設6施設、現在拡大中です。


学童で過ごす時間を、ただ「預かる時間」にするのではなく、子どもが自分の心と体を知る時間へ。これが、がっこうヨガが考える「学童ヨガ」です。



参考文献・エビデンス

  • Kerekes N, et al. Yoga for children and adolescents: A decade-long integrative review on feasibility and efficacy in school-based and psychiatric care interventions. Journal of Psychiatric Research. 2024.

  • Khunti K, et al. The effects of yoga on mental health in school-aged children: A Systematic Review and Narrative Synthesis of Randomised Control Trials. Clinical Child Psychology and Psychiatry. 2023.

  • James-Palmer A, et al. Yoga as an Intervention for the Reduction of Symptoms of Anxiety and Depression in Children and Adolescents: A Systematic Review. Frontiers in Pediatrics. 2020.

  • Hagen I, Nayar US. Yoga for Children and Young People's Mental Health and Well-being: Research Review and Reflections on the Mental Health Potentials of Yoga. Frontiers in Psychiatry. 2014.




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